もはや完全消滅した商品企画なので、公開しても差し支えないでしょう。
弊社、スターバックス香港とお取り引きしているんですが。
去年の取引発足当初は7点の商品を卸していたのを、今年の初めに4つに下方修正しました。
これは、輸入側の弊社とアメリカの生産側でどうしても埋められないビジネス課題があったため、私が後で取り下げたのです。
状況的には
ー輸入したら売れるのは知っている商品だけど。
ーでも代金先払いだし。 (弊社のような卸し売り会社は小売店と違って、商品を売って代金を回収するまでにタイムイラグがあるので、あまり気前良く他社に早め早めに支払いしていると、最悪の場合資金繰りが滞り黒字倒産する。)
ー他の商品と比べるとリスクが高いし。 (チョコなので、一回でも熱によってダメージ受けると売り物にならない。温度管理等する為に気もお金も使う。)
ー取り扱いコストは高めだし。 (上記空調管理の他に、香港基準の成分表等をこっちで張らないといけないのですが。形が小さいので、定型サイズのラベルではダメで特注しないといけない。 そして、その張り付け作業に人を投入しないといけない。 )
全体的に、リソース配分を考えると割に合わない商売だな。
(損するビジネス、、、とまではいかないけど、より費用対効果の見込める案件は他にある。)
、、というものです。
普通に流れて終わるはずの商品だったのですが、
私が第二四半期のとある日、代替案としてひらめいたのが、
「あ。これ形だけ同じ円にして、スタバのロゴにしたものをつくったら売れるんじゃない?」
というもの。
先方がなんらかのチョコを求めてること、そして前の商品のサイズ感が気に入っていた事は知っていたので(味は別にして、「店鋪で飾りやすい」「見栄えがする」「あまり場所取らない」、、といった理由も商品採用の可否の大きなポイント。)
いっそのことスタバ仕様だったらウケるかなー と考えた次第。
というわけで、
早速香港でチョコレートのカスタマイズ専門のパートナー企業探し出して、
ミーティング重ねて質レベルと価格の上限を決め依頼して、
3週間かけて出来上がったプロトタイプがこれ。
特に左のホワイトチョコの方、緑が抹茶パウダーで、自分の中では結構自信のあった提案でした。
これを、弊社で可愛くパッケージする予定(だった)
ちょっと、キュートではないですか?
で、客先に提案して「おお!これは良い!!」という反応をすぐにいただいて。
捕らぬ狸の皮算用している私をヨソに、後に勃発した問題。
製造側の担当者が
「ごめんなさい、、上司が、既にマキシム•グループ(香港でスタバのフランチャイズを運営している会社)と直接取引があるので、利害の対立になって生産の許可がでないんですうう、、」
だって。
「そういうことは、早く言おうよ。」
と、イラッときたり。
「だし抜かれたかな?」
と、ちらっと思ったり。
(要は、仲介してる私抜きで直接取引すれは、双方のマージンの分け前が増える)
まあ 残念だ、、としかいいようがないのですが。
でも自社で技術力がない限り、常に存在するリスクなんだよなーという事実の再確認にもなりました。
事前に機密保持契約のようなものを結んでもよかったかもしれませんが、、効果さほどないような?
このビジネスモデルを成功させるには、生産者が客先と直接取引するパイプを持っていない場合に限るように感じてます。
(生産者が海外ベースとか。生産者が、私がどこに卸そうとしているか知らないとか、知っててもリソースが足りないから手を出しようがないとか。 そういう状況。)
幸い、在庫を抱えている訳でもないので実害はない、、と割り切れなくもないですが、(多分、3年前の私だったら、先に受注する前に商品仕入れててにっちもさっちもいかない状態になってた。)
個人的に気に入っていた案件だったため、結構ガッカリです。
、、というわけで、
ビジネスも人生も打数を増やすに限るので、さっさと次の企画に移ります。
もし、今後香港のスタバ店舗で上記のようなチョコが出回ってたら、原案者は実は私だということを読者の方々がちらっとでも思ってくれたら私は幸せですわ。
*実らなかったビジネスの話は、ブログに書くと案件が成仏してくれるような気がするので、この系統の話はシリーズ展開する可能性が高いです。
http://www.lifehack.org/articles/communication/30-quotes-failure-that-will-lead-you-success.html
私は失敗したのではない。うまく行かない方法を一万通り発見したのだ。
~ トーマス•エジソン ~