どうやら、私はもう香港に住んでいないらしい。

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どうやら、私はもう香港に住んでいないらしい。

 

…..という重大な事実を受け入れたのが、つい最近。

 

 

秋から娘を大阪の保育園に月極めで入園させて(今までは一時保育ユーザー)

来年の幼稚園の入園手続きもして、

日本で税金を徴収され(海外に転出届けを出していると払わなくていい。でも住民票をまた入れると納税義務が発生)

日本で仕事をするようになって(まだ香港の会社もやってるけど)

私物はわずかにまだ香港にあるけど日本にほとんどある、、、

 

 

 

という現在の状況を総合的に見ると「うん、私の生活の拠点は香港じゃなくて日本にあるのだ」と認めざるを得ない。

 

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今まで香港と大阪間で二拠点生活をしてて、今後はもっと日本を主軸にして暮らすんだ、という構想があった。

 

 

前は香港にいる日数の方が多くて、

そして家が両国にあって私物も両拠点にあるといってもワードローブは香港の方が充実してて。

収入源は香港だけで、

友人知人仕事関係者も主に香港にいる、ということは

二拠点生活といえど厳密にいうと香港がメインで大阪がサブ、ということになるんだろう。

 

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で、今度はそれを逆にしようとして。

日本で過ごす日数をもっと増やしたく、それに伴って日本のワードローブも拡充して、今までは香港でしか収入源がなかったけど日本でも仕事を増やす、、という方向性。

 

 

だから、要は今までやってた二拠点生活の比重がちょっと変形するだけで、実際は大して変わらないんだ、、、と思っていた。

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引越し屋が、香港の自宅に現れるまでは。

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そもそも自分の中で

「これは引越しではない。(単なる二拠点生活の比率調整)」

とずっと思っていたため、引越しに向けての準備は一切しておらず。(ものの整理/精査。メインの船便が届くまでに着る服や使うものを除けておいて荷造りをする等)

 

冗談抜きで「普通に生活を営んでいる状態で、引越し屋が突如玄関に現れました」という状態をご想像いただきたい。

 

 

カオスでしかない。

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夫も同じくそれまで全く何も作業をしてなかったので、釣られて通常運行モードに入ってたてけど。

私と彼の決定的な違いって、夫の荷物はすでに日本にあるから香港で荷造りしないといけないものは特にない、という点。(そもそも二拠点生活が発足したのは夫の仕事の都合なので、彼はひと足先に日本で本格的な生活を始めている)

 

 

この日まで、あまりにも私が
「別に引越しとかじゃないから。単に日本で過ごす時間を増やすだけだから。 (Im not moving to Japan, Im just going to spend more time there)」

 

と言いまくってたため、夫も友達も

 

「はいはい、じゃあ非引越し(non- move) に向けて、あくまでも送別会じゃない単なるパーティはどうしようか?」

 

とか

 

「じゃあ日本でもっと時間を過ごしに行く前に、遊ばない?」

 

と言ったり、うちで引越し屋(Movers)を手配しながらも彼らのことを’Non- movers’と呼んでいたりした。(意味不明すぎる現実逃避)

 

 

この現実とメンタルのギャップは、香港にまだ未練があるからであって。日本でもっと時間を過ごしつつも大好きな香港も引き続き住み続けたい、みたいな欲張りねじれ願望的なものがあったから。

「香港生活の終焉」と思うと悲しいから「別に終焉じゃないし」と思いたかっただけ。

 

この思い込みが結構うまくいってしまったため、現場レベルで問題が発生してる、、、というシチュエーションが引越しデーの当日。

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そのまま永遠に自分の中で「これは引越しじゃないし」と思い込んでてもいいのだけれど、

 

現にその「Non- Movers」は目の前にいるし、彼らは家財をものすごいスピードで梱包して搬出し始めている。

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「日本でもっと時間を過ごす」ってものすごい大ごとだな、、と思わざるを得ない。

 

 

軽く放心状態ながらも、いい加減スーツケースのパッキングを始めないと、娘も私も日本に到着してから船便が届くまでの1ヶ月半くらい着る服がない、ということに気づき。

引越し屋にキッチンとかリビングルームに着手してもらってる間に私は黙々と自室で紙の整理とか服の選定とかするんだけど、ドアの裏側で私の住まいがバリバリ解体されてる音が聞こえるのでそっとドア開けてチラ見してたら。

 

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勝手に目から水がバーーーーッて出てきたんですよね。

 

あれはとても不思議な現象だった。

制御不可能な涙大放出。

 

またわずか一ヶ月で戻ってくる香港(私用と仕事の関係で、次の香港の帰国日はその時点で既に確定していた)

ビジネスも、友達も、永住権もある香港。

そして夫も娘も、お手伝いさんも今の所は一緒の日本。(*引越し時点。あいにく彼女の労働ビザは却下された。)

今後も香港に一緒に行き来することも多々あるだろう。

 

 

それでも決定的に何かが終わってしまった感が拭えないこの現実。

 

私の住まい、そして人生が少しづつ、そして心の準備よりも遥かに早く解体され無機質な箱の中にポンポンと格納されていく。

IMG_7596.jpg少しづつ、決壊していく私のこの国(というか特別行政区)の全て。

 

自分は物質的な人間じゃないしモノにも場所にも依存しない、と今まで思ってたけれど。実際私物が箱詰めされてるだけでこんだけ狼狽してるってことは、まさに私の心のよりどころって「モノ」でとかそれが収納してある箱(家)だったわけ?

なんて未熟な精神なんだ、、全く修行が足りない、、

とそんな自分がちょっと滑稽でもある。

 

 

娘も、家のものがどんどん無くなってくことに混乱し「Oh no!!  My house!!  Stooop!!  」と引越し屋を罵倒している。

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船便になった夫。

 

私の小王国の崩壊:

 

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、、、、、そんなかんじで、自分の中で結構な涙のドラマが香港を出る際にあったのだけど。

 

 

気がつけばもうそれって、一体何ヶ月前の話だって感じで。

 

 

いい加減現実を受け入れてもいい頃だといえる。

(でも香港でまだ会社を経営してるため、以降結構頻繁に帰国していて。出国日の精神的ドラマとか裏腹に、また戻ってくると引っ越したことがまるでなかったかのような気分になるのも事実。)

 

 

その時の船便で届いたものは無事日本に到着し家の収まるべきところに収まっていて、

娘の日本語(やや大阪弁)もメキメキ上達して、こっちの保育園にも楽しそうに通っている。

ちょっとづつ大阪でお気に入りの場所を開拓したり、知り合いも増えてきたり。

そして日本の住所に届く郵便物も増えてきた。

 

 

家族揃って今度香港に行くのはクリスマスかな、という話をしているけれど(今後のデモ情勢にもよる)その時に泊まるのは家ではなくホテルなわけで、bookings.comで宿を物色しながら

 

「ああ、私たちはほんとうに日本に住んでるんだな」という実感がある。

 

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とはいうものの「家」はないけれど香港はこれからも私にとっては広義の「ホーム」と捉えてて。

グングン育ってる大阪愛と並行して、離れている日数が増えるほど香港愛も増長している。

 

菠蘿飽(パイナップルパン)も、小籠包も、酸辣湯も、エッグタルトもいいけど。

たこ焼きも、どて焼きも、551の肉まんも、堂島ロールもいい。

 

 

うん、どれも違ってどれもいい。

 

 

 

 

 

、、、、一体私はなにがいいたいのか?

 

 

 

 

「Home is not a place- It’s a feeling」のスピリットで、主に大阪ベースでたまには香港な暮らしを最近してます、、という遅ればせながらのレポでした。

 

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どうやら、私はもう香港に住んでいないらしい。」への11件のフィードバック

    • Meg consolini より:

      日英の二カ国語だけですー。 少し前まではインドネシア語(ヘルパーさんの影響)で喋ったりしてたのですがもうすっかり忘れたようです… 笑

      いいね

  1. みゆ より:

    めぐさ〜ん!久しぶりのブログ更新だ!と思ってうきうき読んだらお引越しされてたのですね😭なかなかお会いできる機会はなかったのですが、なんだかもう同じ街にいらっしゃらないと知るとさみしいです…!
    大阪からのブログも楽しみにしています😌

    いいね: 1人

    • コンソリーニ•恵 より:

      みゆさーん!メッセージありがとうございます!その後いかがお過ごしですか&香港大丈夫ですか??
      そういえばみゆさんと初めてお会いしたのがまだ娘がお腹の中にいた頃、、と思うと何か浦島太郎のような気分になります。
      所変わってしまいましたが引き続きよろしくお願いいたします:)
      そして催涙ガスにはお気をつけて、、涙

      いいね

  2. みみーな より:

    香港のお家を引き払われたのですね、びっくりしました!人生の中でいろんな流れがありますね。私はここ10年ほどイタリアにいますが、この先はどうなるか、わかりませんねー。大阪での暮らしも堪能されてるようで、良かったですね!

    いいね: 1人

    • コンソリーニ•恵 より:

      自分もかなりびっくりしてます。笑

      イタリア10年!となるともう永住されるんですか、、?と思ってしまいますが、必ずしもそうではないのが人生ですね(^^;
      私たちも大阪はいつまでいるの、と既に周りに聞かれてて「娘がティーンエイジャーになる前にはアメリカに住ませてあげたい」等と言っていますが、昨今のアメリカの情勢を見てると果たして住みたい国なのか?と思うことも。
      人生全て様子見ですね、、笑

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      • みみーな より:

        ほんとに!人生全て様子見ですねー
        イタリア永住のつもりで
        マンションも購入しましたが。。いつどうなるか
        わかりませんよね。
        アメリカも
        面白そうですね!

        いいね: 1人

  3. Akifumi より:

    ボクも、神戸→ボストン→神戸、大阪→上海→大阪→上海→大阪と行ったり来たりの引越しをしていますので、その寂しさや複雑な心境がわかる気がします。
    毎回、日本に帰る(行く?)時の引越しは寂しいです。
    不思議と日本→海外の時には寂しさがないのですけどね。
    日本には、本当のホームとしての安心感があるからかもしれません。

    いいね: 1人

    • コンソリーニ•恵 より:

      あら、同じく渡り鳥族?ですね、、 

      >日本には、本当のホームとしての安心感があるから

      これ興味深いですね!そういえば私も前香港に引っ越した時は、別にさみしくなかったです。(その時まだ若くてセンチメンタルになるほど全然後先考えてなかったというのもあるかもしれないですが、、)
      あ でもそのまた昔18年間育ったイギリスを出るときは寂しかったです。
      うーん どういうロジックの心理なのか、、笑

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  4. Ayumi より:

    はじめてコメントをさせていただきます。
    お子さんをご出産される少し前あたりからブログを拝見させていただいており、以来楽しみに読ませていただいておりました。
    お仕事に対するスタンス等、いつも良い刺激をいただいておりました。

    日本へお引越しをされたんですね!
    わたしは現在LAで6年程住んでおり仕事をしているのですが、自分もいつか日本に帰るときがくるのかもしれない。引越しのときは、どんな気持ちになるんだろう、、、となんだか胸が熱くなって、コメントをさせていただきました。
    今後の更新も、楽しみにしております。

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    • コンソリーニ•恵 より:

      お返事めちゃくちゃ遅くなってしまい申し訳ありません! コメント&お立ち寄り頂きまして大変ありがとうございます!   AyumiさんはLA在住なんですね。まだ訪問したことがないのですが過ごしやすく良いところだと聞きます:) 6年も住んだらもはや故郷ですよね、、  もしかしたらayumiさんは日本には本帰国しないことになるかもしれないですが、「いつか帰国するかも」と心の隅で思いながら過ごすと一層日常が愛おしくなるかもしれないですね:) これも何かのご縁かと思いますので引き続きどうぞよろしくお願い致します。    そして信じられないことに、パンデミックな今の世の中ですがお体にはお気をつけて..! アメリカの非常事態宣言はショッキングです、、

      いいね

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