娘が生まれたばかりの赤ちゃんだった頃、「母乳」は常の子育て上の課題トップ3に君臨していた気がする。
「今まで単なる装飾品だと思っていたおっぱいから、命を産み落とした日を境に生命維持のエネルギードリンクが出てくる」
という未知の事態に興奮を覚えながら、「これ、誰も教えてくれなかった!! 聞いてない!」という戸惑いも日々発生。
まず、、
痛い。
死ぬほど痛い。
反射神経的に赤子をひっぺ返してどこかにぶん投げてしまいそうになるくらい痛い。
それまで授乳中の母子のイメージは、気持ちよさそうにフニュフニュおっぱいを嗜んでいるベビー、そしてそれを見守り微笑み安らかな顔をしている母親(聖母マリア&イエスキリスト風に)、、だったけれど。
(少なくとも最初の時期は)赤ちゃんは死活問題オーラ満々でおっぱいに食いついてくるし、食いつかれてる私はピラニアか何かに体の敏感な先端部位をガジガジ丸かじりされ何らかの拷問をされているかのような感覚に襲われた。 *個人差があります
で、涙をこらえて歯をくいしばること一ヶ月。
(一応自分の中で「生後一ヶ月は母乳オンリー、2ヶ月以降は粉ミルク混合でok、一歳になったら卒乳」というプランがあった)
2ヶ月目から、気分と都合に合わせて粉ミルクをプラスしてみた。
*気分と都合、、というのは
「今は胸が張ってて備蓄在庫があるようだから、はい自家製をどうぞ。」
「今は外出中で、人前で授乳したくないから粉ミルクね。」
程度のもの。(ピラニアに食べられてるような痛みからは既に卒業。)
6ヶ月~にもなると離乳食も食べ始めるので、液体養分は徐々に現象傾向に。
1歳のタイミングで卒乳しようとしたところ、娘にこの計画を全く事前告知していなかったことに気付く。
「誕生日の日に不運なニュースを伝えたくない、、。 あっ そして来週はずっと仕事で忙しいからあまり構ってあげられない、、一緒に時間過ごす時は甘えさせてあげたいなあ。」
等と、なんだかんだで卒乳計画が延期される。
1、2週間後。 「じゃあ、強行突破ということで。今日からおっぱいが突然不味くなった、という設定にしよう、、」と思い立ち、ワサビを乳首に塗ってみた。(ちょっとスースーします)
おっぱいを欲しがった時にワサビ味のそれをオファーしてみたところ、大騒ぎ。(当たり前か)
大泣きして、諦めさせかけて、かわいそうになって、普通にあげちゃって、ワサビに戻って、、という堂々巡り。
そんな不毛なサイクルを何度か繰り返したのち、
世界保健機関(WHO)は2歳までの母乳を奨励している 、、、という耳寄りな情報を得て、なんだ、別に卒乳しなくてもいいのか。と正式に計画を先延ばしに。(WHOは「6ヶ月までは完全母乳」とも推奨してるけど、、それは時すでに遅しで都合が悪いのでスルー。)
他にも「どうやら、授乳は母体のカロリーコントロールにもいいらしい」という情報も得て、win-winじゃん?という発想に。
この時点で普通に食事をするようになっているので、母乳は「おやつ」もしくは「おかずもう一品」くらいのポジション。
あれだけ新生児の時は泣くくらい(私が)痛かった授乳だけど、もはや乳首もそれ仕様に進化してるので痛くないし、穏やかな延長授乳期間は流れる。
さて2歳になって「さあ晴れて卒乳だ」となったタイミングで海外渡航の予定が入る。(ニューヨーク行き。時差は12時間)
「環境が変わる時に、卒乳は難しいなあ、、時差でぐずるときに授乳できたら便利だし」
ということで、また計画が流れた。
で、帰国したタイミングで卒乳にしようとしたところ、同じ理由(時差でぐずるときに授乳したいetc)でまたもや計画倒れ。
そんなときに友達から
「うちは気がすむまで授乳してたよ。3歳過ぎてたかも。そのせいかわからないけど、病気は全然しない気が。」
と聞き
「なんだ、別にデメリットはないのか。じゃあもうちょっと続けよう。インハウスで(しかもほぼ無料で)栄養生産装置を回してると思えば、なんかお得じゃない?」
と思い、生産終了日を完全度外視した、ほぼレジャー目的の授乳daysが始まる。
この時点で娘は三食きっちり食べるので、授乳は朝起きがけの時間だけ。(もう歯が生えているので、夜の授乳は虫歯になりそうなイメージだったから中止。)
「まあ大人だって、朝に牛乳とかヨーグルト飲むしね。朝の乳製品はきっと体にいいんだ、、」 という自己正当化思想も。
それに朝、別のベッドで寝てる娘がちょこちょこやってきて私の布団に潜り込んで「メメ、ほしい。」(*娘用語)とパジャマをひっぱってくるのがとってもキュートで。それが私の朝の目覚まし時計、、くらい定着してしまい
「別に、永遠に卒乳しなくてもいいんじゃない?」
とすら思えてくる。
この平和なモーニングおっぱいルーチンの日常があっさりと閉幕したのが、2ヶ月前。
(この時点で娘は2歳8ヶ月)
歯の検診に行ったところ、アンケートに授乳状況に関する項目があって、堂々とまだ行っている旨を記入したところ、
「あー もう歯が生え揃ってるので、朝だけしてても授乳はもうやめたほうがいいですよ。 どうしても、磨いてても、歯茎あたりに少し残っちゃうんですねよ。」
という指導をされた。
歯の健康リスクを持ち出されたら、そろそろ潮時かなと思わざるを得ず(というか多分外部要因がなければ趣味で永遠に続けていたかもしれない)その日を境に
「〇〇ちゃん、歯の先生が、メメは歯が痛くなっちゃうからバイバイなんだって。一緒に~ メメ バイバーイ」
などと言って、おっぱいの送別会を連日行った。
幸いこの時にすでに「虫」という生き物の存在を認識していて、「歯にムシが来ちゃうよ」というと納得してくれたので、そのセオリーと
「ママのメメ、もう不味くなっちゃったよ」 (念のためにまたワサビを仕込んでみた)
「〇〇ちゃんはもう赤ちゃんじゃないからねー」
「むしろ〇〇ちゃんのメメを、うさちゃんにあげたらどう?」
と言った正当&不当なロジックをロテーションしてるうちにリクエストされなくなり、やたら長引いた割には最終段階ではそう苦労せずに卒乳に成功。
今は、ふとした瞬間に「メメ、みせて」と言われるものの、ぺろっと見せると「マダ アル… うふ」と満足げに呟いてどこかに行ってしまう。
そんな感じで自分なりに山あり谷ありの授乳ライフは終焉を迎えたわけだけど、喉元過ぎれば暑さを忘れるとはまさにこのことで、山や谷があったことはお互い忘れかけている。
、、、なんでもうすぐ娘がもうすぐ3歳になろうかというタイミングでこんな話を書こうと思ったかというと、
振り返ってみて
「、、まじで、別にどっちだって良かったかもね!!」
と思っているから。
周りの子育て中の友達の話を聞いても
「もっと長く授乳しておけば良かった」
「混合にすれば良かった(or しなければよかった)」
「もっと早く卒乳すれば良かった」
、、、なんてことを言う人は一人もおらず、
それぞれの状況でそれぞれの選択をして、その選択に満足してて。仮に別のチョイスをしたとしても現状への影響はきっと皆無。
あれほど育児の一大事と思えた行事も、過ぎ去ればまた次の課題がどんどん押し寄せてくるし、思い通りに行っても想定外の展開になっても、振り返れば「どっちだってよかったかもね」レベルのことに成り下がっている。
今も毎日色々な育児の課題で試行錯誤したり悩んだりしてるけど、別に元気に育ってれば9割方のことは、きっとどれも大した問題じゃない。
と、
自戒も込めて書いてるのだけど。
今の私の育児課題はズバリ「トイレトレーニング」で!
「完璧にできるまで後一歩だな」
と思ったことが過去7回くらいあって。
一体なぜ「後一歩」の状態が気がつけば5歩くらい後退してるのか??
という堂々巡りをしてるんだけど。
毎度、「ウィウィしちゃった(テヘペロ)」と可愛く首をかしげる娘のオムツを替えるたびに、
「オムツをしたまま会社出勤する人間はいない!!」 と自分に言い聞かせている。
会社出勤どころか、どんなに学業成績が悪い子でもオムツをしながら授業をサボってゲームセンターに通ってるわけはなくて、不良になったってオムツで煙草やマリファナ吸ったりバイクを暴走させてパラリラパラリラやってるわけではない、、、!
私が悩もうが悩ままいが、トイレトレーニングに迅速に成功してもしなくても、このフェーズが過ぎれば「どっちだってよかったね」と思っているんだろうな。
思ってる、よね。
*幼少時代のトイレトレーニングの成果と、社会人としての成功の相関関係についてご存知の方はご一報ください。
いまさらどうでも良かった、っていう感覚すごく共感します。オーストラリアはさらに母乳に積極的で4歳まであげている友達もいましたし、フランスは2か月で仕事復帰する人が多く、6ヶ月で、まだ上げてるの?ってよく言われてました。
トイトレは子供が準備できたら、ってよく聞きますけど、オムツ取れても5歳くらいまでちょい漏らしが絶えなくて自分でパンツとか洗わせてましたが、おむつも、そのちょい漏らしも自分のタイミングでぴたっと終わりましたし、おむつ取るタイミングなんて母乳みたいにコントロールできる物じゃないから本当にどうでも良くなりますよ笑
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>>おむつも、そのちょい漏らしも自分のタイミングでぴたっと終わりました
聞いて安心しました!!情報ありがとうございます。
うちはここ数日パーフェクトでトイレに行っていたのに、今朝トコトコとやって来たと思ったら「ママ、今ウィウィしてる(現在進行形)」だったのでまたかい、、と消沈してたところです。
この件も、母乳同様どうでもよくなる時期を夢みて洗濯物を続けます、、笑
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