私は18歳までイギリスで育ち社会人生活のほとんどは香港、という立場の者ですが。
一応家では日本語だったし、イギリスで日本語勉強するための補習校に通ったし、日本には学生生活含め7年住んだこともあるので「自分は日本語ネイティブ」だと完全に信じてました。
ただ33歳にして想定外の日本語の課題が私に降りかかっていて
「あれ、もしかして私はネイティブじゃなかったりして?」
という笑えない疑惑が浮上しています。
その課題というか障壁が、
幼児語。
娘(二歳)の言語方針としてはトリリンガル教育で、
私が日本語。
夫(アメリカ人)が英語。
お手伝いさん(インドネシア人)がインドネシア語。
家族の公用語は英語。
というすみわけにしてるんですが。
私にとって幼児に日本語を教えるのは結構難しい….!! (むしろ正しく教えてるのかが不明)という事態に直面しています。
ちょっと例をあげると:
【動作系】
①子供を持ち上げたり下げたりする動作をしながら、英語だったら「Up」と「 down」を繰り返して言ったら上下の位置関係を覚えさせられますが、
日本語で、この場合「上」「下」とは言わなくないですか?
「上がる」「下がる」も間違ってる気がする。。
でもとりあえず言いやすいので、今は「上」「下」と言ってる。
②娘は「On」「Off」の概念を理解して、簡単な文章で応用できるけど。それを日本語でいうと全然状況によってフレーズが違う。
電気の場合は「つける」「消す」だし
服の場合は「着る」「脱ぐ」だし
机の上のもの場合は(put on the table.. の’On’)「のせる」「下ろす」、、と言いたいところだけれど、ああそうだ、テーブルの上のものは「とる」んだった、、。
いや、でも「とった」後に床においたら「下ろす」でいいんだよな….。
ということをいちいち考えて自分で咀嚼してから子供に教えてるっていう、不確実性。
娘は今のところ「電気、ON!」などと言っている。
③英語だとドアでも箱でも開閉は「Openと「 close」で成立するけれど、日本語だったら..?
ドアは「開ける」「閉める」だけど、もし私はお願いしてる場合は「開けて」「閉めて」な訳で、、
「ドアを開ける」と単に仕草で教えてる場合と、依頼してる場合の「ドア開けて」を併用したら混乱しないだろうか、と気を揉む。
そして「ドア開けて」は本当は文法的には「ドアを開けて」なんだと思うけど口語ではそういうことは言わなくって、それはあくまでも教科書上の話なんだよな、、
そして箱は開けるっていうよりかは「開く」んだよね、、
ということをぐるぐる考えて戸惑いつつも子供に教えてるっていう、危険性。
【依頼ごと】
娘は何か手を貸して欲しい時、英語で「Help me」というけれど、これを日本語でも覚えて欲しい。
直訳の「助けて」だと緊急事態っぽすぎるから、正しいのは「手伝って」だと思うけど、「Te-tsu-da-tte」はあいにく音的に長くて未だ覚えてくれない。
この場合↑は「手伝って」の他に選択肢がないから、まあいずれ頑張って発音してもらうとして、ちょっと厄介なのが地味に「プリーズ」だったりする。
「Please」 と「thank you」 は英語だと真っ先に子供に教える単語コンビで。
プリーズに関していうと名詞にも動詞にもくっつけるだけで丁寧になるので最強に汎用性がある便利ワードだと思うんだけど、
Please=お願いします
だと、いきなり「O-ne-ga-i-shi-ma-su」と7倍の長さになって、やはり覚えてくれない。
日本のママさんに「ください」という便利な橋渡しワードを提案されたので教えたところ、ちゃんとそう言って物をねだるようになった。
でも動詞にはそのまま使えないんだよね、、。 Please sit は「座る ください」じゃなくて「座ってください」だけど、そういう言い方って実社会でするっけ、、
親子の関係だったら多分「座って」で足りるし、もっとフォーマルな場だったら「お掛けください」とかって言わない…?
【丁寧語、幼児語】
「子供が使う子供らしい日本語表現」というものを私はちゃんと心得ている。
「寝る」は「ねんね」だし「座る」は「おすわり」。
そして女の子だし、丁寧化できる単語はそうしたほうがいい。
醤油は「おしょうゆ」の方がいいし、肉は「お肉」。
それは知っている。 一応。
ただ、、そうすると必然的に単語の音節(Syllable)が増えて長くなるではありませんか。
お皿は英語でDishもしくはPlateでしかありえなくそれぞれ一音節づつだけど、日本語で「さら」でなく「お皿」と記憶させようとすると2音節から3音節になるし
「月」「星」を「おつきさま」と「おほしさま」にしてしまったら一体いつになったら言葉として定着するのか、、?
ということで、結局シンプルに「さら」「つき」「ほし」で通してるんですが。これが教育上最適解なのかは謎。
ただ自分でもなぜかふっとしたときに「おリンゴたべる?」と唐突な丁寧ワードが出てくるので「あれ、、リンゴに<お>はつけていいんだっけ、、?」と突然フリーズした後急にグーグル検索始める母親、ここに有り。
調べたところ「おリンゴ」はOKという結果だったんだけど、じゃあなんで「お梨」や「おイチジク」は駄目なわけ??という更なる謎が発生。
【愛称がわからない。】
英語では、家族や仲のいい友達に対してニックネーム(pet name)で呼ぶ習慣があります。
ハニーとかダーリンというあれですね。私は機嫌がいい時、夫のことを「Snugglypoo」と呼びますが(由来は不明。意味も不明。なんとなく可愛いので定着した。)
すごく仲のいい友達だとお互い「honey」とか「sweetie」等と呼び合います。
じゃあ、娘は私にとってなんなのか?
家族全体で英語で話してる時は自然と「oh my little cutie pumpkin pie! 」みたいなフレーズが飛び出るわけですが、じゃあ私たちの間でメインの言語であるはずの日本語では?
実際そのまんまで「◯◯ちゃんは、ママのスイーティーなプリンセス!」などと通常日本人だったら絶対使わないような奇妙な各種直訳系名称で呼び始めて早二年~経過して現在に至るわけですが…。 ※たまに二人だけで遊んでる時。いつもではない。
いやもっと愛称も日本語化した方がいい、と最近認識したものの、一体実名のバリエーション以外で他になんて呼んだらいいのか全くわからない。
あ 日本語ではそういうのなかったっけ。
【関連過去記事】なぜうちの子は、かぼちゃパイなのか。
例を挙げてったらエンドレスなんですが、そんなわけで困難が多い帰国子女の母親による幼児日本語教育。
でも幸い今大阪にいてしばらくこっちにいる予定なので、どっぷりと日本語に浸かってもらって私の足らない部分を全部環境から吸収して欲しい、、と切実に願ってるところ。
バリバリの大阪弁スピーカーになったら尚最高….!
わたしも第一子のとき幼児言葉で話かけるのに戸惑った思いが。日本語ネイティブなのに笑 大阪弁実践講習はお手伝いできるかも!
いいねいいね
やったー! ちなみに文中の「お願いします」の代替案として「ください」を提案してくれた日本のママさんとはようこさんのことです 笑
ちなみに最近の動向としてMは保育園の「先生」を大阪のイントネーション付きで発するようになりました 🙂
いいねいいね
おぉ!日本のママで登場でき光栄です 笑
これから大阪弁で日本語をどんどん吸収するんでしょうね!
いいねいいね
こんにちは、はじめまして。最近このブログを見つけて楽しく読ませてもらっています。5歳の女子の母で、香港によく行きます。
私は英語も広東語もイマイチなので、バイリンガルなんて羨ましい!と思うのですが、幼児語、、!確かに難しいですよね。
子供を持ち上げながらなら、私は「たかいたかーい」「ひくいひくーい」、ですかね。
電気などは子供は自分で「つけてー」「けしてー」(頼み事ではなく)と言うような気がします。
手助けしてほしいときは、「やってー」でした。いまは「やってくださーい」「一緒にやってー」など。
無意識に言っていますが確かに難しいですね、、!
長々と失礼いたしました♪
いいねいいね
ありがとうございます、立ち寄っていただけ光栄です!
これ!!
>>子供を持ち上げながらなら、私は「たかいたかーい」「ひくいひくーい」
画期的なベストアンサーですね!ありがとうございます、これから積極的に活用します。
>>「やって」
ああ 確かに、なんてシームレスな依頼、、
言われてみると腑に落ちまくりなんですが、なぜか自分ではすぐにぱっと思い浮かばす無駄に複雑にしてしまうので勉強になります。。
これからも引き続きよろしくお願い致しますm(_ _)m
いいねいいね