先月、非常に腹立たしいことがありました。
取引先が倒産しました。
破産するのは勝手だけれど、問題は弊社に未払金があるということ。
ある日、ポストに舞い込んできた清算人(liquidator)からきた破産お知らせの手紙がこれ>
おい、、
どうりで連絡がつきにくいと思ったら、そんなことに。。
この会社、香港で輸入ベビー用品の最大手的なポジションで香港の主要ロケーションに5店舗ほど展開してました。
うちは離乳食用のフルーツピューレ商品を卸していた、という関係。
損害は10,000香港ドル~ほど。(14万円くらい)
幸い小口顧客だったため、会社にとって大損という額ではないんだけど。あくまでもいち人間として「14万円が消滅した」と考えると腸が煮えくり返る額です。
14万円あったら、夫に会いに親子で香港・大阪間を少なくとも2往復できるし。
もしくはデスク用のパソコン買い換えられたし。
買おうかどうかと迷ってた革ジャンも3枚買えるじゃないか!
、、、なんて色々考え始めるとイライラはつのるばかり。
更にここには委託販売だったので(商品を届けて、店舗で購入されてから私に利益が還元されるシステム)まだ現場にうちの商品が人質に取られてる状態。
清算人に電話をしても「まだ対応の方針の手順が決まっていません。ご案内にあるように債権者集会にご参加ください」の一点張り。
というわけで参加してやりましたよ、その債権者集会とやらに。
当日、前方のテーブル席にしおらしい顔した経営者とポーカーフェースの清算人達が鎮座していて、部屋いっぱいにいる債権者たちの緊迫感が立ち込めてる、、とどこかテレビドラマで見たことのあるような風景でした。
気になる倒産理由ですが、主に
・旗艦店のロケーションを追い出され(そのあとのテナントが大家さんに取ってもっと賃料が取れる、、というアートギャラリー。)引越しの失敗に伴い売上が3割以上減。
・業界を取り巻く情勢の変化。(ベビー用品の購入がリアル店舗ではなく海外からのネット通販に取って代わられている等)
、、とのこと。ありがちな理由だけれど
「それをなんとかするのが経営者でしょ!? ブチッ」
という思いと
「ああ、それ結構誰にでも起こりうることですよねえ、、ご愁傷様でした。」
という人間っぽい憐憫が半々くらい。
それはさておき、私がわざわざ第一四半期締めの忙しい時期にここに出向いて知りたかったことは、主に2点。
①私の未払金が支払われる可能性は? それどういうメソッドで対応するの?
②現場においてある委託商品はいつ回収させてくれるの?
結論としては、、
私のロスなんて霞むくらいの損害を被ってる関係者が何十人もいたので、①は「多分無理。」と早々に悟りました。
他の人は何百万円レベルの損害のサプライヤーとか、数ヶ月~1年以上給料未払いの社員達など、、(この香港で、給料未払いで働き続ける人間達を一体どうやってみつけたのか?ということが非常に気になる。)
手順としては、会社の資産の内容を把握して、お金に換えられるものはお金に換え、可能は範囲内で債権者への配当を割り当てられる。スケジュールはまだ未定、とのこと。
私レベルの損害額だと、「戻ってきたところで微額、何ももらえない可能性の方が高い」くらいの印象を受けた。
②に関しても、見通しは暗い。
店舗の大家さんが、賃貸料が未払いだったため店内の商品全部差し押さえて、今清算人と大家さんが訴訟中だとか。
紛争が解決する頃には、もう賞味期限切れで、回収してきたところで売れないよ、、。
というかその清算人のお給料と訴訟費も、その破産を申請した残り資産から捻出されてるわけだから、そういうことをしてる時点で私を含めた被害者皆に還元されるお金は減っているわけで、、、
実に忌々しいこと尽くしだけれどこれ以上考えるのは時間の無駄なので、とりあえず14万円はスパッと忘れることにしました。そのエネルギーを稼ぐ方に回します。
損しっぱなしも嫌なので、頑張って元を取ってこの一件の収穫をひねり出してみるとすると、、
①とりあえずミーティング中ずっと馴染みのない単語をメモって調べることに注力してたので、今後の通訳案件で倒産系アサインメントがあったら非常に役に立つことでしょう。←パラレルキャリアで通訳してます。
②会社を倒産するときの手順を理解できた、という学習体験。
そんな予定はないけれど、実に興味深い社会勉強といえる。
③客先と連絡が取りにくくなって支払いが滞り始めたら、直ちにオフィスに乗り込みor番犬を送り込む、、くらいの勢いでいいんだ。というビジネスアプローチの確立。
④ブログったら結構すっきりしてきた。 単なるビジネス上の損害話に、これ読んだ遠くの見知らぬ誰さんがウケてくれたら、弊社のフルーツピューレも浮かばれると思う。
今日から4月だし、第2四半期の始まりだし、今月は日本行くし、もう春!ってことで仕切り直して新たなスタートを切りたいと思います。
↑夫が送ってくれた近所の桜の写真。