久々に私の仕事の話をします。
私の会社は簡単にいうと、「誰かの作った商品をどっかに売る」仕事をしています。
まあ古典的な貿易ビジネスといえるでしょう。
モノは主に輸入物の自然食品を取り扱ってて、香港のスーパー、カフェ、ホテル、専門店といった客先に卸しています。
さて、なんで私のクライアント達は、私抜きで直接海外の製造側と取引しないのか。
理由は例えば>
1。 先方に取り合ってもらえないから。
生産側は自社の利益の最大化とビジネスの効率化を考えないといけないので、各国に代理店がいてが、ものづくりの本業に専念できる方がいいと思っている。各国の個別客先の購買力はしれているので、自分たちで直接対応はしないで代理店のに取り仕切ってもらって現地で営業活動をしてもらった方がいい。
2。面倒だから。
「小売」という本業のある中、わざわざ海外サプライヤーを発掘し細々としたやり取りをして契約を取り決めして運送手段を模索して、etc etcというビジネスをするのが面倒。
3。リスクを抱えたくないから。
彼らは手軽に色々な商品をちょっとづつ試してみたいので、ひとつの種類の商品を大量コミットをしたくない。
その在庫を売るまで保管してる期間もそう。(保管してる時点でコストが発生するし、時が経つにつれて劣化リスクもある。) そして海外サプライヤー相手だと大抵代金を先払いしないといけない、というのもキャッシュフロー的に良くない。(うちみたいな現地の会社を挟むと自分たちの支払いは後で、というのが商慣習的に通る。)
上記を踏まえると私の会社の存在意義は、
生産者とやり取りをすることによってクライアントの面倒を引き受けてリスクを抱えること、、
ということになる。
ちなみに「私が発掘した、マル秘ルートによって調達した誰も見たことのない素晴らしい商品を高貴なビジョンとともに市場で売りさばく、、」というのはあくまでもビジネスのいちパターンであって、むしろそうでないケースの方が圧倒的に今は多く。
実際は客先の方が「欲しいものは決まってるから、調達して来て。」と言われることも多いし、生産側から「商品はタダで送るんで、売った分だけ後でお金払って」というパターンもある。
うちは貿易会社だけども、見方を変えると、エージェント、ブローカー、トレーダー、はたまた銀行業務的な側面もあるのかな、、とも感じてる。
で、このビジネスモデルを応用させると、別に売買/仲介するものは自然食品じゃなくてもいいのでは、と考え始めたのが最近。
もちろん今現在その分野で実績があるからそういう案件が入って来るんだけど。
対象物が化粧品でも雑貨でもワインでも原理は同じで、それ用の販路を開拓するっていうのもアリなんだな(特にスーパーで売れるようなものであれば今と担当部署が変わるけど、話は通りやすいはず。)と思ってみると「誰かの作ったものをどっかに売る」という通常業務が急に無限の可能性を秘めてるエキサイティングなインフラのように思えてきた。
今後日本に行く頻度も増えるわけだし、これを機になにか日本の会社とも取引始められたら公私共にウィンウィンだ、、ふむふむ。
なんて、フライト中もんやり考えてた。