前回の日本の一時帰国中に、家族と久しぶりに再会しました。
父が普段はポーランドに住んでいるので、両親に揃って会うのは娘の出産以来、約1年ぶり。
「あらあら大きくなったねえ」
「可愛いわねえ~ 」
と微笑ましいやり取りの中で、父に
「で、○○は今後どんな風に育てていこうと思ってるの?」
と聞かれる。
どんな風に、、というのは、私(と夫)の親としての教育理念を問われているということ。
その場に親戚もいたので、あまり大胆すぎる持論を展開するのもアレだなと思い。
「元気で幸せな子に育って欲しいな~」というありがちで当たり障りない答え方をしたんだけど、
実際はもっと包括的かつ具体的でラディカルな考え方をしている。
娘になって欲しいのはずばりコレ→
「マズローの欲求階段の頂点的ニーズを充足できるような人間。」
図解>
ウィキ詳細> https://ja.wikipedia.org/wiki/自己実現理論
この目まぐるしく変容する世界がこの先何十年も先にどのような情勢になっているか、予見する能力は私にないので、例えば「大きくなったら弁護士やお医者さんになって欲しい」という職業縛りの願望を託したところで、将来そのような職業は存在してないかもしれない。
でも、普遍的にいえるのはとりあえず上記ピラミッドの上層レベルの欲求を満たせていれば(満たせる能力があれば)高い可能性で幸せで元気な人生を送っているはずだ、と言うこと。(上層欲求を満たすには、前提としてそれ以下の欲求が満たされていないといけない。)
ピラミッド各層の具体例↓
生理的欲求>
「食べるものに困窮している。ブラック企業に搾取されて一週間の睡眠時間が3時間以内なうえに業務時間中トイレに行かせてもらえない。」といった状況を避けたいというもの。
安全欲求>
「家賃が払えないくて家を追い出されそう。闇金に手を出して返済が滞っているためヤクザから毎日支払いの催促が来るため生活が不安定。」という状況を避けたいという欲求。
親和欲求>
わかり合える友達や仲間が欲しい。クラブやサークルに入りたい。女子会をしたい。家族が欲しい。孤独は嫌、というニーズ。
承認欲求>
異性にモテモテになりたい。SNSで鬼のようにイイネ!が沢山欲しい。仕事で「君の存在なしではうちの会社は倒産するよ。いやむしろ国家が成り立たない」と言われたいという欲望。
自己実現>
ロックスターになって自分の天才的作詞作曲演出トーク話術で観客を感動させる傍で、プロブロガーとして世界中をボーダーレスに飛びまわり自分のクリエイティブな才能能力の権化である作品をこれまたボーダーレスそしてワールドワイドな大衆に読んでもらうことによって秒速で百億千万の金を稼ぎつつ、願って努力を重ねた結果キャリアチェンジに成功した暁にプロ野球選手として生涯現役で活躍する百億千万プレイヤーになる。 (例えば。そういう夢があったとしたら。)
、、といったようなこと。
興味深いのはこの部分。
これら5つの欲求全てを満たした「自己実現者」には、以下の15の特徴が見られる。
1.現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
2.自己、他者、自然に対する受容
3.自発性、素朴さ、自然さ
4.課題中心的
5.プライバシーの欲求からの超越
6.文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
7.認識が絶えず新鮮である
8.至高なものに触れる神秘的体験がある
9.共同社会感情
10.対人関係において心が広くて深い
11.民主主義的な性格構造
12.手段と目的、善悪の判断の区別
13.哲学的で悪意のないユーモアセンス
14. 創造性
15.文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越
要は、このような「徳が高い」とされる価値観や考え方は、自分自身の欲求が満たされてる人は芽生えやすい、ということ。(そりゃそうだ。明日食べるものに困ってる人が、他者に対する心優しい寛容性を発揮しながら哲学的な抜群のユーモアセンスを振りまきながら自らの創造性を活用しつつ環境問題をはじめとした社会・文化的問題等について考える余裕があるわけがない。)
ので。勉強が得意なのか否か、何ヶ国語喋れるのか、有名企業に勤めるのか起業するのか、というのは上記を達成するための一手段であり目的でないため、
「今後やってくる時代に合わせて最もピラミッドの上らへんに近づけるような知恵やスキルを臨機応変につけて、そんで心に余裕のある人間になって社会&他者に対して価値や人徳を発揮できるようになっておくれ、、」
というのが娘に対する希望。
、、とまあ大層な理想を宣言してみましたが。
ま、元気に幸せに育ってくれればいいっすよほんと。
高望みもしないし親バカもしないよ、、。
ちなみに夫に「ねえ。この子どういう子に育てたい?」と聞いたところ間髪あけずに
「サバイバル能力が高い子」
と返ってきたのでお互いの方向性にはそう相違はない、と思う。
そもそも生存競争に負けちゃったら自己実現はできないしね。
夫のサバイバルに関する思想はこちら>
いざという時の為に、素手で獲物を仕留められるようにしとこう、という発想。
補足>
※マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表しました。それは「自己超越」という段階。「目的の遂行・達成『だけ』を純粋に求める」という領域で、見返りも求めずエゴもなく、自我を忘れてただ目的のみに没頭するという領域。
http://www.motivation-up.com/motivation/maslow.html
自己超越を極めると、悟りや神秘体験にも似た人生で最も幸福な瞬間を体験する、らしい。
はじめして。記事、おもしろかったです! 私も同じようなことを息子に対して思ってます。どんな状況でも、自分の力で、環境を快適にたのしくできる子になってほしいものです。。望むのはそれだけ。
いいねいいね
ありがとうございます! ダーウィンも、この世に生き残る生き物は最も力の強いものでも最も頭のいいものではなく、変化に対応できる生き物だ、、的なことを言ってましたしね。 お互い子育て頑張りましょう〜:-)
いいねいいね