売り込みたい客先があれば、まず自分が先に客になってみるといい。

 

実は、クリスマス~春になるまで(旧正月明けるまで)にかけて弊社のビジネスは、例年停滞気味です。

 

理由としては、

 

取引先が早々にバケーションモードに入ってて、商談が進まない&担当が掴まらない。

弊社の売ってる食品が若干高級路線のため、対象消費者が海外旅行に繰り出す組で不在なので、現場レベルで売り上げが低迷する。

そして最後は自己責任なのですが、弊社は夏の売れ筋商品は確保できているものの(香港は夏が長いので◎)冬に大ヒットする、イチオシ商品が今のところない状態、、ということが挙げられます。

 

 

時間も予算もあまりない中、脳を捻り出して試みた冬期の新規事業が、ギフト•ハンパーのプロジェクト。

 

香港だとクリスマスと旧正月の2回、企業のギフト習慣があるので(日本で言うお歳暮のようなものでしょうか)コレを何発か仕掛けて上手くいったら冬を乗り切れるじゃあないか、、、と思いチャレンジしてみました。

こういうの:

結論からいうと、想定していた以上に大変で骨を折ったけれど、想像していたよりも遥かに勉強になった案件でした。

そして計算通りの利益があがり、ちゃんと冬を越せた、、!(←ここ重要。)

 

自分のコンフォートゾーンを一歩出ると、色々見えてきますね。。

 

 

 

思った事、勉強になったことなど:

 

1。開拓したい顧客は、まず自分が客になるといい。

ギフト•ハンパーの中身は自社製品のみだとバラエティーが足りないので、他社製品も盛り込むことにし、その為に複数他社に見積もりをお願いする事になります。

自分の既存の取引先やネット検索で出てきた会社、そして手元にあった自分が売り込みたい見込み客先リストにも見積もり依頼を出したのですが。

売り込みの時と明らかに反応が違う。 というか、メールにちゃんと返信してくれる。

「なにか私から買って!(お金下さい)」という人と「何か私に売って!(お金あげます)」という人への対応が違うのは当たり前ではありますが、自分が売り込む方の立場だと担当者とつなげてもらえない、メールは無視されるというジレンマは日常茶飯事。

今までいくらアプローチしてもなしのつぶてだった見込み顧客は、自分の方がお客さんになることで、ものすごく丁寧に対応してくれるし心開いてくるし、今やちゃんと弊社商品も買ってくれてるっていうWin-win状態。

 

 

2。自分がお客さんの立場になると、競合の仕組みが丸分かり。

価格表とか、運送費のチャージの仕方とか。私がお客さんという立場だから提示される。「ふーん。他社はこうやってるんだ。」と相当勉強になる。

そして、本来同業他社には絶対話さないような内部事情も、ミーティング中に末端スタッフから意外と漏れる。(某有名健康食品チェーン店が、同族経営でスタッフは経営方針に凄く不満を抱いてるとかなんとか、、)

図らずとも、今後のビジネスに有益な情報をたくさんキャッチ。

 

 

 

3。他社観察による反面教師。

一斉に複数社に「〇〇系統の商品を探してます、見積もり下さい」と似たようなメールを出すので、違いが浮き彫りになるのですが。

対応時間とか、 メールの書き方とか。その後のフォロー等、

「おお、これは!」と思うような会社も「いや、それどうよ?」と思うところもあったので、私もスタッフへの指導をしっかりしないとな、、と思いました。

 

 

 

4。初めて着手するプロジェクトと予期せぬハプニングは切っても切れない仲

納品の遅延。納品物の手違い。納品されてから、社内で一端クリーニングしないと出荷できないような質のバスケット。絶妙なタイミングで不具合が発生する自社プリンター。

ヒヤリとしたのは2度や3度ではないのですが、問題が勃発したときに備えて、複数代替案を確保しておけば乗り切れる。プランBのサプライヤーを押さえておく、とか本当の納入締め切りよりずっと前の日にちを指定しておくとか。

自分の手の及ばないミスはどう頑張っても完全には防げないので、こちらでできる限りのセーフティーネットをしいておくのが賢明。

 

 

 

5。成長を求めて高めハードルを目指すのはいいけれど、それを公言する事の迷惑度数を見極めるべし。

例えば自己成長を求めて「火曜日までに必ず納品します!!」(ちょっと無理かもしれないけど出来る限りガンバロウ)と宣言して仮にしハズしたらクライアントは大迷惑で。

なので、「木曜日までに納品」と一応言っておいて、自分の中で火曜日を目指して全力を尽くせば良いかと。実際宣言したより早めに出来上がったらクライアントは喜ぶし、もし外して木曜日になっても迷惑はかからない。

 

 

 

6。モノは売り込んだ後につくること。つくってから売ってはダメ。

4年前の開業当時も一度こういうハンパー系のビジネスを試みた事があったんですが。
バスケットを購入してモノを詰めるところまでやって、客先に現物持参で「こういうギフトセット、いりませんかね?」という営業をして惨敗した思い出があります。

事前に何十個も現物商品をつくっておかなかったのは幸いだったけれど、サンプルを用意してる時点で既に時間の無駄だったな、ということを今回再認識しました。

最も重要なのは「客先が購入を確約する気になるだけの判断材料」を準備すること。
物理的な商品は必要でないことが多く(今回はどのクライアントからもそんな依頼はなかった)わかりやすく魅力的な提案書、及び多大な営業努力で案件は確定可能。 ちなみに、今回一番世話になったツールはフォトショップ。

このバーチャル提案(?)の強みは、相手のニーズに合わせて中身を、コストゼロで変更できる事。(まだ現物はなにも調達していないので。)「あー ここスナック菓子減らして、ワイン赤白の2本にして。」なんて振りが来ても慌てずに済む。

 

 

 

7。納品物のパーツが同じでも、やっているのは全然違うビジネス。

弊社の通常業務は主に「食品の卸売り」なのである意味、正確に淡々と的確に小売店に商品を配達すればいいのですが、今回は「ただ納品すればいい」、、というわけではなく、いわば発注してくれたクライアント企業の「気持ち」を形にして届けないといけないので、いつもとは神経のすり減り具合が違う。

卸売り業だったら、例えば100個納入した内1個がなんらかの理由で壊れてたら「次回、不良品の交換お願いね」と客先に依頼されて終わりですが(香港だから。。?日本だったらもっと厳しそう。)、もしギフトハンパー100個発送した内の1個が不良品だったら、発注したクライアントの届けたかった本来の「気持ち」の贈り物は台無しだし、許されることではない。

そして、もしも仮にバスケットの中に入ってるメッセージカードを、送り先企業を間違えて発送したら??なんて取り返しのつかない落とし穴ばかり。

 

 

 

 

そんなこんなで、頭と胃が痛い事も多く「悪阻がぶり返しそうだ、、」と何回か思ったけれど、得たものは大きかったように思います。

 

なんせ冬を越せたし。

 

スタッフに笑顔でボーナス渡せたし。

心も穏やかだから「一体計何十人警備員がいるんだこのオフィスビル、、」と思いながらも皆に快くお年玉渡せたし。

(※香港では利是というお年玉は、子供にだけでなく会社の部下やビルの管理人等、普段お世話になっている人皆にあげる習慣があります。)

 

3月かかってこい、という気分です。

 

カモンベイベー。


りぼん巻き作業中のスタッフ。

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