あえて書き残しておいて、老後にボケたときにでも読み返して思い出に浸りたいから。)今回ディナーをしたのは、シンガポールのトップシェフ、アンドレ・チャン氏のレストラン「アンドレ」
2015年アジアのベストレストランで5位にランクインし、
ニューヨークタイムズの
「そこに行くだけのために飛行機に乗る価値のある世界の10のレストラン」
に選ばれるなど、数々の栄誉に輝くフランス料理の名店。
こういう系統のレストランでは単に「食事をしている」だけではなく、
ウンチクに耳を傾け文化的なお勉強をしつつ「芸術を食べる」という退廃的贅沢行為を堪能出来るのが◎。
アンドレのメニューは、8つのエレメンツに沿ったシェフ独自の料理哲学
「オクタフィロソフィー」を基に構成されています。
メニュー超訳:
Pure (調理•味付けを一切しないで堪能する素材美。)
Salt (古代からの普遍的調味料塩を活かした、海の恵。)
Artisan (食材の作り手への敬意の表現)
South (シェフの故郷の南仏の素材と「Joie de Vivre(生きる喜び)」精神を表現した一品 )
Texture (素材のコントラストが織りなすハーモニー)
Unique(独自性•唯一性の表現)
Memory (時を経て継承•進化しつつも、色あせる事のない思い出)
Terroir (偉大なる大地への讃歌)
メニュー読むと「なんじゃらほい? これ、食べ物の話?」というのが第一印象ですが。
色々と自分なりの解釈やイメージをし哲学的思考を巡らせながら、シェフやギャルソン達の紡ぎ出す総合芸術に身を委ねていれば良いのでとても楽しいです。
季節によって出す品は違うけれど、コンセプト自体は一貫しているそう。
ここから本編↓
Pure> 濃厚かつさっぱりな不思議な味。味わい深いのに天然素材のまんまで味付けなし、、というマジック。
Artisan> 中身はウニやカニが入った素敵なサムシング。
South> 何で構成されているか忘れたけれど、確かに見た感じ「南仏」ってかんじがするかも。私には「春の息吹」に見える。
Memory> フォアグラのムース、トリュフソースがけ。メニューは定期的に入れ替わるけれど、これだけは、シェフの駆け出し時代からずっとつくり続けている不動の一品だそう。
お口直しその1。抹茶アイス。
(「プレデザート」っていってたけれど、なんて素敵なコンセプト。
家でも「さっきもスナック食べてなかった?」って聞かれたら「あれはプレおやつよ」って応用できそう。)
メインのデザート。
シェフが子供時代、母親と一緒にケーキを作ったときの思いでを表現したという。
見た目が斬新すぎる。でもとっても美味しい。
続く甘味。
箱を開くと更に出てくる焼き菓子。
自分が結局いくつデザートを食べた事になるのかもはや不明だけれど、とても幸せな気分。
「シェフって、自宅では何食べてるのかな? というか、奥さんは料理するんだろうか?」
「シェフの腕とパトロンの資金力とレストランの成功の相関関係って、あるのかな? 」
「ミシュランがシンガポールに進出しないビジネス理由ってなんだろね。」
*アンドレは、シンガポールで最もミシュラン星に近いレストラン、、と言われているけれど、シンガポール版ミシュランガイドはまだ存在しない
「目玉が裏返るほどお会計高かったけど*、とっても楽しかったね。」 *2人で日本円で¥8万ちょっとくらい、、
「 一生に一回行けたら十分だけど、一生に一度は行きたいレストランてかんじだね」
みたいな、本音トークを後でできるのは夫婦の醍醐味。
「記念日に非日常体験をする」という意味では、目的は十分達成された感アリです。
めも:1日30名限定で、2ヶ月前の予約が推奨されるこの人気レストラン。
でも。多分航空券と同じ原理で、逆に超ギリギリだと案外予約とれる、という発見。(2日前でとれた。)