今、金融業界が解雇シーズンだそうです。
ここしばらく一日おきくらいに、夫から
「こないだ一緒にデイナーした誰々さん、解雇されたって。 (◯◯を送ってやってくれ(気の効いた贈り物等) / 今度うちに遊びに来たいって / ◯◯社に紹介しようと思うんだ)」
といった報告が入ってきます。
金融業界クビのトリビア (主に外資系投資銀行):
・解雇シーズンは年に二回。1-2月、そして8—9月。
・年始のボーナス支給額がゼロだったら、それは肩たたきのシグナル。
まもなく解雇されるという予告編。
・解雇されるタイミングは、可能な限り騒ぎが大きくならないよう一般的に、金曜日の朝一番か、仕事終わりの時間。周りの士気が下がらないようにという理由 &本人が週末かけて現実を受け入れられるよう、、というせめても配慮?
・呼び出しされて解雇宣告されると、その後自分のデスクに戻る事はほぼありえない (デスクに戻ると、腹いせに機密文書を持ち出しされたり、会社に巨額の損害を与えるようなパソコン操作をしたりする報復の可能性があるため)
連行されてそのまま社外に。 私物は後で箱で送られてくる。
・解雇されると他業界と違って、給料Xヶ月分、、という手当がつくので、職種によってはなにも仕事をしていない期間中に¥千万越えの収入がある事も。(特にフロント・オフィス系の仕事)
・上記期間はgardening leaveといい、手当を貰うかわりにその間は競合他社に就職しないという制約付きの期間。 他社に有益な情報(特に時限性のあるもの)や顧客をすぐにもっていかれないようにするための策。
・シーズン中に解雇される理由は主に:年収が高すぎる。 (コスト削減)
人間的・政治的理由。 もしくは、 パフォーマンス・勤務態度が悪い
*不正行為 (インサイダー取引等)は、シーズン関係なく年中いつでもクビになる 。
解雇事例集:
ワースト・ケース事例:
投身自殺。 【過去記事】 投資銀行マンの自殺動機
その他:
B氏は運悪く、離婚協議中に解雇される。 該当国の法律では、現状に関わらず婚姻中の経済状況に応じて慰謝料等が発生したため、人生最大の災難に直面。奥さんは別の男性と再婚し、本人は再就職できず場末のバーテンダーをしている。
解雇された伝説的ベストケース事例:
A氏は、解雇された際に6ヶ月分の手当を会社から貰う。
その後再就職先を得たものの、仕事開始直前に部門が閉鎖されることになり、オフィスに一歩も踏み入れることなく手当として4年分の給与を貰うことに。
その総額、約2億円、、!
不謹慎さを承知でいうと、私はこういう系統の話が嫌いではありません。
むしろ好きです。
特に解雇された後にどういう人生の選択をしてどういう展開になったのか、という話が好きです。
「他人の不幸が好き」「ゴシップ好き」なのではなく、単純にそういう事例に触れたり、聞いたりするのが勉強になると思うからです。 (そして個人的に、解雇を必ずしも「不幸」だとは思っていません。)
彼らがその後再就職したり、別の人生を模索して起業して成功したり、どこかの国で農業を営み未だかつてないくらい幸せな生活をしている、、、、というような多様な話を聞くと、すごく感動するんですね。
もちろん同じ理由で、「下克上系のし上がり話」も好きです。(←聞くと元気が出る。)
いずれ下方移動でも上方移動でも、極端な環境・境遇の変化から得る人生の達観があると思うので、その人間臭さ・人生賛歌が良い!と思います。
同じ事が自分ちに振りかかった時も、そういう意味で「夫婦にとって、良い経験になりそうだ。」という思いでした。
*去年夫もクビになりました。
【過去記事】 https://meg-consolini.com/2013/09/27/外資系証券トレーダー、失業%E3%80%82/
そういう考えで、話を聞きつつ
「人間万事塞翁が馬 、、」
「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり、、、」
等と、通常時なら思い浮かばないような表現が頭に浮かんでは消えるのでした。